相転移 2020 9 20

書名 物理入門 Newton 2020年9月号増刊
出版社 ニュートンプレス

 一時期、よく言われた「科学嫌い子供が増えた」ということが、
最近、聞かれなくなりましたが、現状は、どうなったでしょうか。
 今、日本では、基礎科学の分野が弱くなっていると言われます。
いずれ、日本からはノーベル賞受賞者が登場しなくなるでしょう。
 「こんな科学、何の役に立つのか」と思っても、
50年後や100年後には、社会の「大河」となっているでしょう。
 ある科学者が、こんなことを言っていたと思います。
昔、研究者が「電子」を発見した時に、
多くの人は、「そんなものを発見したところで、何の役に立つ」と言っていたそうです。
 同じように、「物質は粒子であり波でもある」とする量子論が発表されても、
多くの人は、「そんな空想のようなものに時間を費やして、どうする」と思ったでしょう。
 しかし、量子論は、現代の半導体技術の根幹をなすものです。
量子論がなければ、パソコンもスマホも登場しなかったでしょう。
 さて、この雑誌は、青少年向けに作られています。
もちろん、大人が教養のために読むことも想定しています。
 この本では、量子論をマンガで説明しています。
電子は、量子力学によると、
普段は、波のように広がって空間に存在しているけれど、
光を当てて観測すると、不思議なことに、
電子の波は、瞬時に縮んで、1か所に集まる。
私たちには、これは粒子に見える。
(引用、以上)
 電子は、通常、波のように、
あるいは、電子雲のように広がっているというのは、
一般的には、理解しがたい考えでしょう。
 むしろ、電子は、通常は、粒子であり、
特別な時だけ、波のようになると言ったほうが、
理解を得やすいでしょう。
 しかしながら、電子のような微小サイズの世界で起こる現象は、
波であると考えたほうが説明しやすいのです。
 さて、観測をすると、量子状態が壊れて、
電子の波は、瞬時に縮んで、
1か所に集まり、粒子のようになるというのもわかりにくいでしょう。
 私は、先日、このようなことを当然と思う量子ネイティブ世代が多数派にならないと、
量子論の一般化(民主化)は難しいという趣旨を書きましたが、
実は、そんな悠長なことが言っていられないかもしれません。
アメリカと中国が、量子技術において、かなり先頭を走っているからです。































































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